隣村の出身でコンクの学校に通っていたパトリックですが、卒業後はパリで専門教育を受け、県(アヴェロン)の農業関係の職員をしていました。そんな中で、自分のよく知るコンクの村にフィロキセラ被害や戦争被害の影響から徐々に放置され、まるでジャングルのようになってしまっている古いぶどう畑があることを知ります。本来は中世から続いていた斜面に広がる美しいぶどう畑。この辺りは8世紀ごろにはすでにぶどう畑が存在し、栗とワインで暮らしを立てていた時代もあったといいます。そこで、以前から実際にぶどう栽培や醸造をしてみたいと思っていたパトリックは何人もの地主それぞれに交渉し、全部で6ヘクタールのジャングル!(元ぶどう畑)を手に入れます。2001年のことでした。仕事をやめ、2年かけてジャングルのようになった土地の木々を伐採し、土を耕し、土壌を調べた上で、2003年にようやく2.5ヘクタールにカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローを植えます。続いて2004年にカベルネ・フランやシュナン・ブラン、シャルドネ、シラーを植えました。
9人兄弟のパトリックですが、それぞれに仕事を持っているため、ワイン造りを一緒にすることはできません。でも、近くに住む兄弟たちは週末に畑作業などを手伝ってくれるとか。実際、訪問した時にもお兄さんがカーヴの壁作りを手伝っていました。「畑を再生することは創造を絶する膨大な作業だったけど、天気のよい日に、ここにいると全てを忘れてしまうほど、ハッピーになるんだ。この景色を見ればわかるでしょう?ほら、こんな風にぶどうの木の下に野いちごがあったりして、こんなのをつまみながら作業をするんだよ。」シャイなパトリックは多くを語りませんが、畑仕事が大好きな様子。満足そうに野いちごをパクリと食べました。(インポーター資料より)