カラーブリア州内陸部の町アクリで、 農業を「自然環境と共生、調和を図る農業という純然たる芸術」と評するオッターヴィオ サッマーロが1990年代後半から始めたワイナリー。自生する植物を利用しての草生栽培、微生物環境を守るため耕転は行わず、有機農業での使用が認められているボルドー液等の農薬でさえ「使わないで済むのなら、使いたくない」を信条とし、ベト病やうどんこ病などの症状が出始め、蔓延する危険が高まった場合にのみ、(予防ではなく防除のために)使用。セラーでも、酸化防止剤も含め一切の添加物を使用せず、きわめてナチュラルな醸造を心がけている。唯一人為的に畑に散布するのはVA菌根菌という、植物の根に共生する、土壌中のリンや水などを供給して宿主植物が健全に生育するのを助け、その見返りとして光合成産物である糖類を植物からもらうという相利共生関係を結んで生きる菌類。宿主植物に栄養吸収促進を促すだけでなく、(その植物の)病害虫や干ばつへの抵抗性を高める効果がある事が確認されており、地中だけでなくブドウの葉に対しても散布を行っている。農業、ブドウ栽培、ワイン醸造いかなることに関しても、特定の人に師事したことはなく、全て独学で学んだ。ワイナリーの名前であるチンクエ カミーニ(“5つの暖炉”の意)は、自宅兼ワイナリーに暖炉が実際に5つある事にちなんで名づけられたもの。(インポーター資料より)