ローラン・バニョルの生まれは南仏プロヴァンス地方に属するヴォクリューズ県オランジュ(世界遺産にもなっているローマ時代の劇場があることで有名な街)。ニームのソムリエ学校に通い、卒業後はニース、パリなどでソムリエや酒屋として15年間活躍。
ワインに触れる日々を過ごすうちに、自分もワインを造りたいと思うようになった。父・兄もワイン造りをしており、一緒にやることも出来たが、工業的なワイン造りをしていたので故郷には戻らなかった。もともとは自分が飲む程度のワインを造りたい、と始めたのがきっかけ。
最初は右も左も分からず「なにも入れないワイン」を一人でもくもくと造っていた(これが属にいうナチュラルワインだとも知らずに!)。が、スーヴィニャルグ村の「モン・ド・マリー」ティエリーに出会えたことで、彼のナチュラルワイン造りは何百歩も前進したのだ!アツいパッションを持つローランを見つけたティエリーは自分の蔵を使えばいいよ!と声掛け。
ここから一気に仲間が増え、ナチュラルワイン造りのアドバイス、知恵を授かり、メキメキと才能を発揮していったのだ!2018年には念願だった自分だけの蔵が完成した!自分の理想とする「ぶどう」「土地」「環境」「人」の4拍子揃った、ヴァンナチュール=それは100年以上前、フランス人の年間消費量が100L以上だった頃のようなスタイル!農薬も、培養酵母も、SO2も使わない。今の時代によく行われる過度な凝縮も行わない。
グラップ・アンティエール(全房)で仕込み、ナチュラルな造りだけど、より安く売るために収量をギリギリまで増やして造るのがローラン流。ここ最近の自然派ワインは価格が高くなり、みんなで分かちあえるものでは無くなっている。だからこそ、自分は、みんなが買える価格、気兼ねなく誰しもが楽しめる自然派ワインを造り続ける!とやる気満々。こんなワインが私達には必要だ!現在の畑は標高70mのラングドック北部にある畑。
樹齢100年のウィヤードと樹齢45年のサンソー、カリニャン、アラモンなどが植えてある。2008年立ち上げ当初は3haのみだった畑も徐々に増やして蔵の周辺に現在は10~12ha所有。樹齢も古い木が多いのでなかなか収量が上がってこないが、将来的には70hl/ha位の収量まで上げていきたい、とローラン。もともと貧しい村育ちということもあり、「稼いだ以上には使わない」を徹底しているそう。一気に投資はしないため、少しずつ環境を整えている!マス・ローの「ロー」はローランのあだ名、マスは南仏の方言で「家」のこと。またマズローの法則のマズローにもかけているとのこと。(インポーター資料より)