プティ・ボノームは Fabien Chanavas ファビアン・シャナヴァによって、南仏リュベロン地方のLa Motte d'Aigues ラ・モット・デーグに 2018 年に設立されたドメーヌです。畑は隣接する Peypin d’Aigues ペパン ・ デ ー グ と La Tour d’Aigues ラ・トゥール・デーグの村にあります。当初栽培面積は1.7ha でしたが、2023 年に新しく畑を借り、現在は 6.5ha になっています。グルナッシュ(ノワールとブラン)、セリーヌ(シラーの古代品種)、カリニャン、ユニ・ブラン、ルーサンヌ、ヴェルメンティーノなどを栽培しています。粘土石灰と粘土砂岩の土壌で、標高は325~390mに位置しています。ファビアンは1983年生まれ。父がワイン関係の仕事をしていたため、学業を修めた後、レストランでサービスとソムリエの仕事をしていました。その後、オランジュの醸造学校で学び、地元の協同組合で醸造責任者として、また馬による耕作の担当として 10 年間働いていました。当時はナチュラルワインもビオディナミも実践していませんでしたが、ファビアンはこの間に、ビオディナミを実践する造り手やナチュラルワインの造り手を数多く訪問。ナチュールの試飲会にも参加して、沢山のワインを味わい、ビオディナミとナチュラルワインに魅了されていきました。2015 年、ファビアンはコルシカに家族と共に移住。地元のビオディナミの巨匠、Comte Abbatucciコンテ・アバトゥッチで、セラーマスターと馬による耕作担当として働き始めます。しかし、父の急逝に伴い、地元リュベロンに戻ります。そして、2018年の2月に地元で小さな畑を購入。自身の理想のナチュラルワイン造りを始めたのです。フランス語で「faire petit bonhomme de chemin フェール・プティ・ボノーム・ド・シュマン」という「地道に一歩一歩自分の道を進んでいく」ことを意味する格言があります。ファビアンはヴィニュロンの仕事は一日にしては成らず、様々な経験を重ねて少しずつ完成されていくものであると考えています。また、初めて取得した小さな区画のリューディの名前がプティ・ボノームであったことから、ドメーヌ名をプティ・ボノームとしました。
ドメーヌの畑はビオロジック/ビオディナミで栽培されています。畑の処方には、スギナやイラクサ、アルファルファなどのビオディナミのプレパレーションを使用していますが、硫酸銅の使用は可能な限り少なくしています。ファビアンは特に畑を馬で耕作することをとても大切に考えています。馬で耕作することによって畑の土が踏み固められることがなくなり、地中の微生物の生命が自然に再生されるからです。また、ファビアンは馬と一緒に働くことで、動物と触れ合い、親密になれるということもとても大事であると考えています。ブドウ木の畝の間は2匹の馬で定期的に耕作しています。ブドウ木の周りには自然に下草を生やすか、もしくは豆類などを一緒に栽培したり、はちみつを作ってくれる花などを生やしています。収穫は手摘みで行い、厳格に選果して、小さなケースで醸造所に運びます。 ワインは野生酵母で自発的に発酵させ、醸造添加物や SO2 は一切加えずに醸造されます。熟成後、無清澄、ノンフィルターで瓶詰めされます。ボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために、瓶詰め時に限り必要最小限の SO2 を添加します。ファビアンが目指しているのは、過度な重たさのない、ピュアで、フレッシュ感とフィネスを備えたジューシーなナチュラルワインです。初めてのヴィンテージは 2018 年。フランスのナチュラルワインショップで引き合いが強く、毎年リリースと同時に完売するほどの人気で、1年待ちでやっと日本への割り当てを確保し、輸入を始めることができました。スウェーデン、デンマーク、ドイツ、ベルギー、オーストリアなどにも輸出されています。 (インポーター資料より)