ドイツ、ラインへッセンの南にあるアルスハイムという小さなワイン村があります。そこに”Garage Winery”と称し、自宅に併設した小さなセラーを構えるのが生産者のマティアスとサブリナです。マティアスは大学で生物学を専攻するなかでワインに興味を抱きワインマイクロバイオロジーで修士号を取得しました。さらにアイスワイン製造に関する博士号の取得を志していましたが、充分に理論は学んだと考え、途中から実践に専念します。国内外のいくつかのワイナリーでインターンシップを経験したのち、独学のみでファルツの家族経営のワイナリーでセラーマスターとして働きました。常識とされるワイン造りの手法すべてに疑問をもち挑戦を重ね、2018年には買い葡萄で自身のMKwineをスタートさせます。当初から無濾過、無添加、無清澄のワインをつくっていましたが、そういったワインが「ナチュラルワイン」と呼ばれ、フランスをはじめとする若者たちの間でブームになっていることを知りませんでした。はじめは濁ったワインが販売先になかなか受け入れられず苦戦していたそうですが、サブリナが、自分たちと同じようになるべく自然のままにつくられているワインが「ナチュラルワイン」と呼ばれていることに気が付きターゲット層を変えてみたところ、徐々に国内外で認められるようになったそうです。マティアスは、ワインは独自に自然のまま成長し、それぞれの風味を引き出すべきであると信じています。複雑な香りと風味、またその多様性、さらにヴィンテージごとに変化するナチュラルワインに何度も驚かされながら楽しみ、愛し、新しいテクニックを試す原動力となっています。ワインが規格や特定の要件を満たす必要がないと考えている彼らが造るワインの香りは本当にユニークで、しかしどこか懐かしさを感じるような自然さが魅力です。2020年のアルスハイムへの引っ越しを機に、ピノノワールやリースリングの畑を借りました。自分たちでできることを増やし、葡萄だけでなく彼らも着実に進化しています。 (インポーター資料より)