ナポリから北北東に70km、アペニン山脈の少し途切れたチェッレート・サンニータにジスモンディさんのカンティーナがあります。
アペニン山脈系の山々に囲まれた緑豊かな丘陵地で、人に荒らされていない美しい田舎です。
ジスモンディ家は代々この地でブドウを造ってきました。
現当主アントニオさん(43 歳)のお父さんのパスクワレさん(65 歳)が農薬に頼らず、大切に畑を守っていました。
今でも陽気に元気に畑に出ています。
パスクワレさんは一日に 1.5L のワインを飲むそうです。
残りはコーペラティヴに売っていました。
アントニオさんは元々レストラン業でヨーロッパ各地でディレクターをしていました。
バルセロナに住んでいたとき、パルティーダ・クレウスのマッシモと同郷の 縁もあり、ナチュラルワインに傾倒していきます。
2016 年にマッシモに実家のワインを試してもらったところ、これは素晴らしい、是非ワイナリーとして販売するべきだと太鼓判を押され、2018 年に実家に戻り、ワインの元詰めを始めました。
ブドウ畑は 5ha、海抜 380m、火山性土壌の上に石や粘土質の石灰質土壌が覆われています。
山脈からの涼しい風が吹き、ビオには適した土地です。
お父さんの植えた 30 歳前後の樹を中心に、お爺さんの植えた 80 歳の樹もあります。
昔は混植が良いとされていたそうで、キアーロはその混植の畑をダイレクトプレスしたものから造られています。
栽培はマメ科の植物を植え、窒素補給をします。
植物が幾層にも重なり、良い土を造っています。
2021 年頃からはビオデナミも取り入れ始めました。
醸造は現在すべてステンレスタンクで発酵・熟成させています。
ノンフィルター、ノンコラージュ、亜硫酸は一切無添加です。
冷涼な気候のおかげでアルコール度は高くなく 10ー12度。
酸がキレイにあり、飲みやすく、かつエキス分のしっかりと感じられる素晴らしいワインが出来上がるのです。