ふとしたきっかけで口にしたワインに心を奪われソムリエに。
それ以来は大阪、モナコ、オーストラリアと様々な場所で異なる角度から、ワインサービスの現場とその土地にあるライフスタイルを肌で感じ研鑽して参りました。
2015年ワーキングホリデーで訪れたオーストラリアで転機が訪れました。
友人の紹介で研修を受け入れていただいたヴィクトリア州カーリーフラットワイナリーでの研修を通してワイン造りの楽しさと出会いました。
それ以来現地の栽培醸造のテキストを読み漁り、いろんなワイナリーを訪問しては醸造家と意見を交わしてワインへの理解を深めて行きました。
そんな中、一人の日本人醸造家と出会いました。当時勝沼醸造副社長だった平山繁之さん(現在は98winesとして独立されてます)です。農閑期にオーストラリアを訪れていた彼と出会い、その人柄に魅了され勝沼醸造への入社を願い出て帰国後は彼の元で学びました。
その後はニュージーランドのDon & Kindeli, Devotus
山形のGRAPE REPUBLICなどでの経験をへて根を張る場所として2019年山形県上山市に拠点を構えDROPというワインブランドを立ち上げました。
山形県上山市は昼夜の寒暖差が大きく生育期間中の雨が少ない、降雪量が比較的少ないなど、日本のグランクリュと評されるほど葡萄の品質の高さに定評がありますが、農家の高齢化に伴い遊休地は増加しており、葡萄産地を継続していくことの難しさを痛感します。
こと雪国においてはたった1シーズン耕作放棄することが葡萄畑として再起不能なほどに棚が雪の重みで潰れることもあり、そんな荒れ果てた畑を何度も目にして心を痛めてきました。
こうなる前になんとか出来なかったのか?途切れずに引き継いで行かなければせっかく何十年とかけて育ててきた葡萄の樹も一瞬でダメになります。
古木の価値はワイン好きな方なら誰しもが知るところですが当たり前に広がる葡萄棚の光景は先人の弛まぬ努力の上に立っているのだと感じ、自分もまたそのバトンをリレーする一人であるのだと知りました。
日本ワインの未来を繋いでいくために、樹を植えること。50年後みんながこぞって引き継ぎたくなるような、未来に誇れる畑を造って行きたいと思いプロジェクトを立ち上げました。
そのためには高温多雨な日本の環境に適した品種の選定、作業性が高く管理が容易であることが大切で、それにより環境負荷の低い持続可能性の高い栽培が可能になると考えます。