ナチュールワイン・ナチュラルワイン・ヴァンナチュール・自然派ワイン

ドッシ・レティチ

Dossi Retici

イタリア / ロンバルディア

ロンバルディア州北東部ソンドリオ。その東にはヴェローナ州、南部にはブレーシャへとつながる街。ここは崖状の狭い棚畑が形成され、栽培するだけでも非常に仕事量が大変で収穫量も少ない農家が多く、栽培するブドウを販売して生活するなんて不可能な場所なのです。ドッシ・レティチはブルーノが 2000 年に蔵をスタートさせたと同時に、教鞭をとりながらの兼業農家として栽培と醸造までを行っています。彼は口数が少なく、寡黙で真面目で恥ずかしがりの性格で、とにかく早朝から深夜まで働き詰めの日々を過ごします。仕事に対する熱量にとてつもなく溢れ、考え方は柔軟性もある多様性をもった頑固おやじという感じでしょうか。
6 歳頃から畑仕事の手伝いをしたりして過ごし、結婚して子供たちも生まれ、自分たちの先祖が送ってきた農業と通した人生を構築すべく2000 年に蔵を立ち上げたのです。畑は家族が所有していた場所で、標高 400~500 メートルに位置する 6 つの区画がテラス状の棚畑になり、3 ヘクタールほどに及びます。畑が散らばっているため、面積以上に全ての作業が大変なことになってしまいます。Dossi Salatiと呼ばれる Grumello DOC の中でも一番高い場所にあり、彼が所有する場所はアルカリ性。砂質とシリカ、ライムストーンが豊富で、しっかりした根が土壌内に張り、葡萄にとって華やかな香りとしっかりとした酸をもたらすことが特性です。
とにかく、今後の子供たちやその先の将来のためのスタイル貫くことが重要だと考えています。化学薬品や農薬,除草剤などに頼らないのは当然で、1940 年以前の小さな農業を心がけた自作の馬糞堆肥、山の草木でこしらえた堆肥を使用するなどし、草刈も手作業で行い、ボルドー液すら僅かに使用するのみです。畑では緑肥としてのクローバーが鮮やかに輝き、植物体系の豊かな土壌が育まれています。彼は整頓された畑を好まず、葡萄にとってどの栽培スタイルが良いのかを考え抜き(実践し)、こんな激しい勾配の場所にも関わらず、南北に上下移動する畑にしたのです(そりゃ横移動できるほうが楽はできますからね)。こうしたことで午後でも 30 度程度の気温と太陽を浴びることができます。昼夜を通して風が強く、勾配が激しいゆえに仕事をするうえで体力の消耗がとても厳しいものとなっています。樹齢 60 年以上のキアヴェンナスカ(ネッビオーロ)がほぼ全体を占め、ロッソーラ、ピニョーラ、ブルニョーラがマッサルセレクションで育てられ、それらを混醸することでキアヴェンナスカに洗練性を与えています。中には 90 年以上ものキアヴェンナスカもあったりします。醸造においてもクラシカルなスタイル、とりわけソンドリオのキアヴェンナスカ(ネッビオーロ)は時間を掛けることでしか本来の味わいを引き出せないと認識しているので、本人もできる限り熟成時間を重視しています。「こんな小さい蔵なのによくそこまでできるなぁ」と感心してしまいます。それほどキアヴェンナスカと土壌の本質にこだわっているからこそでしょうし、品質を重視するからこそ規格などには興味がないとブルーノは考えています。実際にグルメッロ DOC を冠す
ることができても、手続き(申請)などの煩わしさ考慮すればワインそのものには不必要だと判断していて、IGT や VDT でリリースします。とにかく頑固で、醸造におけるプロトコル、既成概念などではなく、IGT や VDT などのカテゴリーに関係なく、本質
を追求したいだけなのだと考えています。経験の積み重ねや感性が重要で、ph が特に気になるようで、とりわけ香りに違和感を感じないよう、酸化防止剤添加のタイミングや量には慎重かつ丁寧にしています。


ドッシ・レティチのワイン

SoldOut
「スタビア」アルピ・レティケ 2016 - ドッシ・レティチ
¥3,630