当主のエンリーコ カウダは独学で栽培・醸造を学ぶという、強い熱意と好奇心によって誕生したカッシーナ フォルナーチェ。周辺は入り組んだ丘陵地が多く、銘醸地としては珍しく手つかずの森林が残る土地。Roeroの特徴ともいえる強い砂質は、崩れやすくもネッビオーロに特有の繊細さ(軽やかさ)を持たせる。そして豊かな石灰質、粘土質土壌。樹齢の古い区画も多く、古樹ばかりで間隔は狭く急傾斜なため、トラクターを持ち込めずすべて手作業。そのため後継者もいない放棄畑を、率先して借り、弟のエマヌエーレと共にすべて手作業による栽培と、農薬や肥料を使用しない農業、ビオディナミ式の栽培方法を取り入れた途方もない労力によって生まれる素晴らしいポテンシャルを秘めたアルネイズとネッビオーロを栽培している。アルネイズはフレッシュさフルーティさ、そんなイメージが定着しているブドウであるものの、それは本来の姿ではないと話すエンリコ。「古い呼び名はネッビオーロ ビアンコ、古いクローンのアルネイズは、果皮が厚くタンニンを持っていて、長い期間樹上で熟成することができるブドウ。」、という。
醸造は、ブドウのもつ特徴を純粋に表現することを基本に、温度コントロールや酵母添加を行わずブドウの持つ酵母のみで醗酵を行う。アルネイズという果実の持つ繊細な香りと骨格ある酒質。十分な厚みとオイリーな質感、これまで味わったことがないかのような純粋なアルネイズを感じることができる。ネッビオーロは10月中旬~下旬にかけて、収穫後セメントタンク内にて2週間程度、果皮と共に醗酵。熟成は500Lの木樽にて24か月の熟成。ネッビオーロの持つ奥行き、複雑さはそのままに、アルバでは決して見られない柔らかみと繊細さ、ロエーロという土地の持つ軽やかさ、女性的な印象を表現。土地の、そして古樹の持つ可能性、ブドウの純粋さを直球的に表現したロエーロ。(インポーター資料より)