リュックは、栽培の仕事を請け負いながら2011年初めて自身のワインをリリースした。とはいえ、まだたった1.2haのぶどう畑を借りているに過ぎない。しかし、彼の活動はサヴォアの伝統を今に復活させる大きな一歩であることに間違いない。伝統白品種アルテス(ルーセット)は栽培にとても手間が掛り、晩熟で多産性赤品種のモンドゥーズは収量を40ha/hl以下に抑えないと良いワインができない。そんな難しい品種から、彼はこの地ならではのワイン造りに情熱を賭けている。スキー最上級者にしか滑れないようなただでさえ急峻な斜面に、石灰岩の露出した山から転げ落ちてきた石がびっしりと2mも積もった畑。足元悪く、歩くだけでフラフラするのだ。そこに晴天時にはじりじりと照りつける太陽が35度もの暑さをもたらす。こんなところで畑仕事ができるとは到底思えない、、 その畑で、ビオ、ビオディナミを実践し、他にはない類稀な味わいのワインを造っている。いろいろ試験的なワインも造るなど、これからが楽しみな生産者の出現だ!現在は新しい畑も手に入れ、耕作の請負仕事も辞め、トータルで3haの畑から自身のワイン造りに専念している。自然なワイン造りにとても研究熱心で、あの幻の醸造家ジャック・ネオポールとも親交があり2014年には何度も来て醸造を手伝いながらアドバイスをしてくれた。(インポーター資料より)