シンプル過ぎる動機と味わい、「食べる」ということに直結した感覚、それが当然!疑う余地のないワイン造り。
ロンバルディア州マントヴァ近郊、ポー側の北側に位置する町コンメッサッジョ。この地域には現在まで大規模ワイナリーはなく、土地伝統のワイン、ランブルスコ マントヴァーノが造られています。醸造技術の発達した現在でこそ加圧式の醗酵タンクなどで造るのが常識となりつつあるものの、本来のランブルスコ造りは醗酵が途中で止まったワインをビン詰めし、瓶内で醗酵を終わらせる「瓶内再醗酵」。ランブルスコというブドウ品種が持つ、強烈な酸によって起こる醗酵の特徴。そこから生まれた地域特有の造り方、現在までこの方法を残している造り手はほとんどいません。
1994 年、ミンマ ヴィニョーリは夫のルイージとともにこの土地、コルテ パッリアーレ ヴェルディエーリを引き継ぎました。20ha に及ぶ広い農地では、牧草、小麦、トウモロコシをはじめ、自分たちの食べる野菜を栽培。この中でブドウ畑は 3ha、土地由来のランブルスコ ヴィアダネーゼを中心に、ソルバーラ、サラミーノ、アンチェロッタを栽培。ポー川を挟んでパルマと隣り合うマントヴァ周辺では、古くからランブルスコ マントヴァーノが造られてきた。もう一つたとえるのであれば、有名なパルミジャーノレッジャーノの対し、グラナパダーノというように非常に近くでありながらも、決して譲らない土地への帰属意識を持った地域ともいえます。
農業にかかわる以前から、環境や動物に深い関心を持っていたミンマは、運営する農場すべてで完全無農薬、無肥料栽培を徹底。ブドウ樹の樹齢は 30 年前後、背の高いコルドーネ式。枝の剪定や除葉、選果についても極力行わない方法を取っています。枝を落とすことは、それだけで樹を傷つけている、という貫徹した価値観のもと栽培を手掛けています。畑で使用するのは銅と硫黄物、年によって異なるものの毎年最低限しか使用しない。年間生産は 20000~22000 本。醸造に関しては収穫後ステンレスタンクの中で自然酵母による醗酵を行います。冬の到来とともにカンティーナの温度が著しく下がることによって、残糖を残したまま醗酵が止まった状態になります。この時点でオリ引きを行い、ノンフィルターにてボトリング、春の到来によって暖かさを持ったカンティーナ、瓶内にて醗酵が再び始まり、その後秋を過ぎるまで熟成してからリリース。SO2 に関しては醗酵の過程でごく少量使用するのみ。再醗酵の過程で糖分や酵母の添加を一切行わない、従来の造り方を今でも行っています。ワインに残るガスの量は、残糖の量によって多少の変化は起こるものの、「いい年にはいいものを、良くない年にはいいものを少しだけ。」年の良し悪しをそのまま表現するミンマの貫徹した意志を表しています。「その年ごとに起きる現象を、そのまま受け入れる」言葉の通り、全く飾りっ気のない彼女のワインには驚くほどの味わいと、心地よい飲み口が待っている。気取ることなく食事とともに頬張っていただきたい。(インポーター資料より)