モデナ近郊フォルミジーネにあるブドウ畑。古くから形を変えずに残っている貴重なブドウ畑であり、1970年代以降のランブルスコの工業化・大量生産の波に飲まれることなく、トレッビアーノ モデネーゼ、ランブルスコ グラスパロッサ、ランブルスコ ソルバーラが当時のままの姿で残っている希少な畑。この畑を初めて目にした時からその魅力に感動し、存続を決意したフラヴィオ レスターニ。彼は当時イル ファルネートにてブドウ栽培から醸造まで担ってきた人物。まだ若く経験も浅いが几帳面な性格と誠実さ、イル ファルネートで働き、ヴィットーリオ グラツィアーノのワインに学ぶ、素晴らしい環境と師に恵まれたフラヴィオ。ブドウの成熟が遅く結実も悪い、、さらには収穫量も少ないなど、生産効率の悪さから1970年以降、クローン開発されたトレッビアーノやランブルスコ系品種へと植え替えられてしまったトレッビアーノ モデネーゼとランブルスコ ソルバーラ。しかし果実由来の強い酸とたくましい果皮は、強烈な粘土質を持つモデナの土地個性に完全に適したブドウ。畑で使用するのは最小限の銅と硫黄物のみ。初年度は2.2haの畑より僅か5tという少なさ。ボトル詰め出来たのは4000本にも満たない量でありながら、その醸造哲学には一切妥協していません。イッルズィオーネはSO2(亜硫酸塩)無添加、酵母無添加、さらには瓶内醗酵においても酵母添加を行わない、いわばトレッビアーノ モデネーゼのみで造り上げた完全無添加のスプマンテ。「瓶内二次醗酵のワインにとって、中に残るオリは単なるネガティヴなものだけではない。SO2を使用しない代わりに、酸化のリスクからオリがワインを守っていてくれる。確かに抜栓するときに吹いてしまったり、一部のワインを失うことも考えられる。しかし自分が飲み手に伝えたいのは、このワインの最高の状態を買った人それぞれが自分たちのタイミングで飲むことができる、選ぶことができる。その可能性を閉ざしたくなかったんだ。」そのためにフラヴィオは、ボトル1本ごとに専用のケースをつけて梱包。そしてヴィーニャエッレは樹齢60年のトレッビアーノ モデネーゼ、ベッルッスィ仕立てのブドウ樹のみをさらに厳しく選果したブドウから、除梗せず自重にて出るモストフィオーレ(フリーランジュース)のみで醗酵。春先まで一度もオリ引きを行わずシュールリーの状態で熟成。収穫からボトル詰めまでブドウ以外一切の添加も行わない白ワイン。エミリア=ロマーニャの未来を背負う、素晴らしい才能を持った造り手の一人だと思います。(インポーター資料より)