ピエモンテの流儀という、常識や固定観念といったものに全く左右されることなく、独自の考察と価値観のもとワイン造りを行ってきたダニエーレ サッコレット。畑は約10ha、標高は200~250mの小高い丘陵地で、表土は石灰を豊富に含んだ砂質に覆われ、多雨に強く湿度が上がりにくい、恵まれた環境。彼は「自分で納得できるものだけをボトリングする」と言う、彼にとって果実の完熟とは、ブドウ樹が生きる意味から紐解けば種子の完成こそが果実としての到達点だという考えを持つ。果実を限界まで樹上に残し、完熟しきったブドウのみを選別して収穫。樹上で脱水が始まるほどに熟成したブドウから造られるワインは、モンフェッラートの伝統や慣習を守ったものではありませんでした。
「グリニョリーノは短期間の醸ししか行わず白ワインのような扱いだった歴史がある。それはグリニョリーノの≪タンニンの質の違い≫を理解していないだけ。自分のグリニョリーノは50日近く果皮を醸しているけれど、一般的なグリニョリーノに感じる香りや雰囲気は全く失ってないだろ?」。固定観念に捕らわれない彼のグリニョリーノには、他の生産者には感じえない深みを持ちつつも、ブドウ本来の個性もしっかりと宿している。当然のことながら、それだけ果皮や種子からの抽出を行えば、強いタンニンを含んでいることも明らか。ボトル詰めまでに最低でも24カ月以上、ヴィンテージによっては4年以上もの期間熟成期間を取るという徹底ぶり。バルベーラやグリニョリーノ、フレイザといったブドウの個性はもちろんそのままに、果実のもつ奥深さや多数の要素。さらには熟成によって生まれる「もう一つの個性」を備えてもいる。それだけの労と手間をかけていながら、あくまでも「モンフェッラートのテーブルワイン」という立ち振る舞い。素晴らしい個性をもった造り手です。(インポーター資料より)