ナポリの北に位置するロッカモンフィーナ山の北側、休火山であるこの山から海岸までの30kmに渡り続く、州立自然公園の中の一角にあるこのカンティーナは、1950年代より続く農家である。海風と山風の吹く、高原にも似た爽やかな気候で、適度な乾燥状態がブドウ栽培に適した土地である。多くの自然な森が残る畑では、昔から農薬などは使われる事も無く、そのままの状態ですでに素晴らしい環境が整っていた。当主マリア・テレーザは、絵にかいたようなイタリアのマンマである。農園の切り盛りは息子のルイジが担当。敷地内にあるアグリツーリズモのレストランでは、マンマ渾身のガッルッチョ料理が楽しめる。6.8haの畑では、1999年に植えたばかりの若木のみで、土着品種であるファランギーナやアリアニコを中心に栽培している。ワインは自然酵母のみで発酵を行い熟成。瓶詰め・打栓・ラベル張りまで全て手作業で行う。ノンフィルターにてボトル詰め。土地のミネラルをたっぷりと含んだファランギーナと、素朴で地味だが肉厚で緻密な旨みに溢れるアリアニコ。カンパーニャの自然の恩恵そのもので出来た、自然な家庭的ワイン。2020年は暑かった年、2021年は暑すぎて、雨の降らなかった年。