イベリア山脈の一部であるシエラ・デ・モンカルビーリョは、リオハの中で最も知られていないワイン生産 地の一つです。ログローニョ(Logrono)から南に約20kmのところに位置し、ナへリリャ(Najerilla)渓谷とイ レグア(Iregua)渓谷の分水嶺を形成しています。過去には、標高(550~800m)や北向きであるためブド ウの成熟を妨げる可能性がありました。そのため、伝統的に自家消費が殆どで大手ブランドや生産者が いませんでした。
しかし、リオハのこの小さな一角の風景を表現することに焦点を当てたワインプロジェクトが登場します。 それがボデガ・オフエルです。 当主ミゲル・マルティネス氏は、民族学からワインの世界に入ってきました。2005年の夏には、シエラの 雪原にある古代の氷貯蔵システムの復元に携わり、この地域とその伝統に再び触れ、陰干したブドウか ら作られた伝統的な甘口ワイン「スプラオ」を現代に復活させて高い評価を勝ち取りました。
ワイナリーは9ヘクタールのブドウ畑を30の異なる区画に分けて栽培しており、そのうち6つは父親の実 家のものです。そのほとんどが、彼の故郷であるソフエラ(ブランド名のオフエルは町名の最初と最後の 文字を削除したもの)か、隣接するダロカとメドラノの地域にあります。それらの多くは、最高標高800メー トルまでの森に囲まれた小さなブドウ畑です。
古くからの家族経営のワイナリーの文化を継承し農薬は使用せず銅と硫黄のみを使い、収穫は手摘み。
手動の圧搾機を使い、酵母の添加も行いません。現在はビオディナミーを実践しています。この地域に
は、手付かずの自然が多く残っており、スペインのおよそ50%の蝶々の種が生息しています。ワインラベ ルでもその多様さが表現されています。
2018年にミゲルは、ワイン評論家のティム・アトキンから若手醸造家のホープとしてのお墨付き(ヤング ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー) をもらいました。今後のスペインワイン業界を担っていく生産者です。(インポーター資料より)